保育園日記

朝のお勤め

[平成21年7月20日]

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17(金)、18(土)の一泊二日、 年長児のお泊まり保育が行われました。

お泊まり保育では、お風呂屋さん、キャンプファイヤー、 ゲーム大会など楽しい企画が盛りだくさんですが、 その中の目玉の一つが「朝のお勤め」です。 妙福寺では毎朝6時から朝のお勤めが始まります。

ただ、子ども達や先生にとっては 6時はちょっと厳しいかな?ということで、 お泊まり保育専用の朝のお勤めを 7時半から鬼子母神堂で行うことにしています。

この鬼子母神堂にお祀りされているのは鬼子母神様です。 鬼子母神は、安産と子育ての神様として 江戸時代から庶民に親しまれ大切にされてきました。

鬼子母神は、もともとインドの神話に登場する ハリティという名の恐ろしい鬼でした。 ハリティの大好物は人間の子どもです。 お腹がすくと子どもをさらって食べるので 人々からとても恐れられていました。

ハリティには千人もの子どもがいました。 ある日、末っ子のピャンカラが何者かにさらわれ、 大慌てで何でも知っているというお釈迦さまのもとに相談に行きます。 するとお釈迦さまが言います。

「お前の子は私が食べてしまった。別に良いではないか、 お前には千人も子どもがいるのだから」と。

「とんでもない!たとえ子どもが何千人いようと、 どの子もかけがえのない大切な子。かわいさは同じです!」 そう叫んでハリティはハタと気づきました。 自分がこれまでどれほど酷いことをしてきたのか。 どれほど人間を悲しませてきたのかを。

「これからは人の子を食べることをやめます。」 ハリティは自分の行いを悔い改め、お釈迦さまの 弟子として歩んでいくことを誓うのです。 すると、お釈迦さまが食べてしまったはずのピャンカラが お釈迦さまの後ろから笑顔で駆けてきてハリティに抱きつきました。

その後、ハリティはお釈迦さまの元で修行を重ね、 やがて子どもを守る神様になられたのだそうです。 自分のエゴで人の子を喰い続けてきた我が身を振り返り、 自分の罪を懺悔し、さらに他人のために生きようと 慈悲の心を起こした時、ハリティは救われました。

このハリティの誓いから、安産や子育て、さらには 厄災を除き福を守る守護神として、人々から崇められるようになりました。 有り難いことに妙福寺にはその鬼子母神様をお祀りした 立派な「鬼子母神堂」があります。

しかも保育園の園舎のすぐ隣。 鬼子母神様は、いつも園児達を見守ってくれています。

その鬼子母神堂で、心を込めて朝のお勤めをします。 この日のために、子ども達は団扇太鼓の練習をしました。 ドンツクドンドンという太鼓に合わせて 「ナムミョーホーレンゲーキョー」と唱えます。

昔から「だんだん良くなる法華の太鼓」と言われ 庶民に親しまれてきたお題目の団扇太鼓ですが、 子ども達もあっという間に上手になって、 気持ちのよい素晴らしいリズムで叩いてくれました。

鬼子母神様もきっとニコニコしながらお勤めの声を 聞いていてくれたことと思います。

お泊まり保育が終わり、園は夏期保育に入ります。 のんびりと楽しい夏休みを過ごしたいと思います。

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和朝食(ご飯、茄子のみそ汁、焼き魚、玉子焼き、納豆)

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