保育園日記

田植え

[平成28年5月19日]

例年この時期はどろんこの話題が続きます。

 

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今日は年長さんの田植えでした。

 

 

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これまで毎日少しずつ土をほぐして田んぼの土作りをしてきました。

 

 

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そしていよいよ田植え。

 

 

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新潟の魚沼から送ってもらったコシヒカリの苗を、

 

 

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プランター田んぼに植えていきます。例年の秋田の「ひろっきぃ米」(ミルキークイーン)もこれから植える予定。今年はそれぞれの稲の成長を比べてみます。

 

 

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昨年までプール田んぼに取り組んできましたが、成果を踏まえて園内で議論をした結果、今年は一度プランター田んぼに戻すことになりました。

 

 

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気持ちいい〜! と、子ども達の歓声。

 

 

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この後みんなで裸足になって土をこね、さらに苗を植え、またまた泥んこになって遊びました。でも肝心の写真がありません。私自身も全身泥まみれでカメラを触れずじまい…。残念!

 

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さて、話の続きを少し。

 

今日子ども達と田んぼの土をこねている時、土がトロトロになるほどに「わー、気持ちいいー!」と皆嬉しそうに歓声を上げていました。でも、その傍らである男の子が言いました。

 

「うー、絶対触りたくない!だって、汚れるとママに怒られるもん。」

 

結局彼は土をまともに触ることなく活動を終わらせました。

 

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「敏感期」という言葉をご存知でしょうか。子どもの体験や学びには年齢に応じた適切な時期があるという考え方です。人間は成長発達の過程で様々なことに出会い、体験し、それを基礎にして色々な能力を獲得していきます。子どもはある特定の時期にある特定の感覚が敏感になり、その時期にその感覚を適切に刺激してあげることが大事ですよ、それが無いとその部分の能力は獲得されず欠落したまま成長していくことになりますよ、というのです。

 

まぁ正直なところ「欠落したまま成長していく」と断言できるかどうかは分かりません。でもとにかく、この時期の子どもは色々なものを触ることが必要で、それは子どもが本能で求めていることであるということは思います。触ったり、匂いを嗅いだり、味わったりという感覚がこの時期は特に敏感で、そこで得た感覚を脳にインプットして、それを後で活用するようになるのです。

 

子ども達にとっての「体験や学び」「刺激」というのは、つまり毎日の遊びのことです。だから保育園は色々な遊びを考えるわけです。保育者は遊びを通して子どもの五感を刺激することをいつも意識しています。大人にとって仕事が大切なように、子どもにとっては遊びが大切です。特に五感を刺激する遊びです。遊びは子どもの仕事なのです。遊びを通じて培われた力は、大人になって必ず生きてきます。それは思考の幅を広げ、能力を高め、人生を豊かにしてくれる種です。とてもとても大切なものなのです。

 

泥汚れは洗濯しても落ちにくくて厄介です。ただそれは大人の都合で、子どもは気にしません。彼らは本能の赴くままに、自らが生きるために必要なことをしようとしているだけです。だから、服の汚れは豊かな学びの証です。どろんこで服が汚れたら、褒めてあげた方がいいくらいです。なのにいつも怒られるから、子どもの心は萎縮し、本能は抑圧され、土を触れない子になります。そしてそのうちに敏感期を過ぎてしまい、その時期に学ぶべき多くのことを学ばずに次のステップに進んでしまうことになるかもしれません。

 

昨日の林の泥遊びでどろんこを触るのを嫌がっていたある別の男の子。お友達の楽しそうな姿を見ていて、ついに我慢できなくなったのでしょうか。今日の田植えでは自分の殻を破り、手を泥だらけにして夢中で泥いじりをしていました。つまりどろんこは子どもが夢中になれる教材だということです。夢中になって遊ぶことは、子どもの一番大事な務めです。大人はそれを制止するのではなく、「楽しかったね!」「気持ちよかったね!」と充実感や満足感を共有し、「またやろうね!」と次への期待を膨らませてあげることです。それが本当の「教育」であり、保育の心です。

 

と、話が色々広がってしまい前回の続きになったか分かりませんが、何となくでも言いたいことが伝わるといいな〜と思いながら、今日はこの辺で終わりにします!

 

 

P.S.

今回の田植えは、活動の流れの中で担任が想定していた以上に遊びが発展し、少し迷いながらもその流れを大切にしました。子どもは夢中になって遊びました。でも、靴や服が想定以上に泥んこになってしまい、保護者の皆様に予定外のご負担をお掛けすることになったと思います。大変申し訳ありませんでした。

 

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