保育園日記

どろんこ

[平成29年5月19日]

年長クラスはここしばらく「どろんこ」をテーマにして遊びを続けてきましたが、今日はその一つの集大成のような日になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日はみんな泥だらけになって遊びました。乾くと色が変わっていく不思議。塗りつけた泥が垂れて落ちない不思議。グチャグチャペタペタと気持ちのいい感触。泥池を作ってジャブジャブ浸かり、ままごとをして、ゲームをして、泥だんごを作って転がして。感触、匂い、色の違いなどを存分に味わって、どろんこと本当の友達になりました。

 

子どもは泥遊びが好きです。とは言っても、実はこんなに泥まみれになって夢中で遊べるのはこの時期の子どもだけの特徴だとも言えます。もう少し幼い乳児期は、泥を触って遊ぶことはできても、全身泥まみれになるのは抵抗感があってできません。またもう少し大きくなって学童期に入ると、それまで楽しかった泥遊びにそれほど興味が湧かなくなり、集中して遊ぶことができなくなります。つまり泥まみれの感触や楽しさを心から味わえるのは、3〜5歳の幼児期の子どもの特権なのです。

 

それはなぜでしょうか。以前にも少し書いたことがありますが、子どもの発達に関する言葉の一つに「敏感期」という言葉があります。子どもはある特定の時期に特定の感覚が敏感になる、というのです。それは人間の本能の働きだと言われてます。3〜5歳の幼児期はいわゆる「五感」が非常に敏感になる時期で、この時期に様々なものに触れることで、子どもは自らの感覚を洗練させていきます。つまりどろんこ遊びは、この時期の子どもが本能的に求める遊びの一つなのです。泥をいじり、感触を味わい、微妙で繊細な違いを嗅ぎ分け、それを電気信号にして一つ一つ脳に刻みこんでいくのです。その電気信号が多ければ多いほど、将来、想像力や判断力、行動力や忍耐力、決断力、創造性などの様々な力が豊かになります。この時期に蓄えた電気信号が、子どもの人生を豊かにしてくれるのです。

 

 

泥汚れは洗濯しても落ちにくく、親御さん泣かせの最たるものの一つかも知れません。でもこれは子どもの豊かな学びの勲章だと思っていただきたいと思います。今日のこの体験が、いや、これまでの彼らのどろんこ遊びのすべてが、今年1年間の子供達の遊びのなかに、きっとどんどん広がって生き生きと生きてくることと思います。そしてそれが、子ども達の未来を力強く豊かなものにしてくれる礎になっていくのです。

 

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