保育園日記

[令和1年7月24日]

4歳クラスの中には、ブランコを漕ぐのがとても上手な子と、まだそれほどでもない子がいます。うまく漕げない子の後ろにはいつの間にか友達が近づいてきて、自然に背中を押してあげる光景が見られます。遊びの中で自然に生まれる友達同士の支え合い。何気ないけれど、とても温かな人間社会の姿です。

 

そんなブランコのそばに、1本の栗の木が植わっています。これは寺の敷地の一角で、落ちた種から育った栗の木です。2年前、その木を子供達と一緒に園庭に移植しました。(その時の様子はこちら。

 

 

その栗の木に今年はたくさんの実が付きました。秋の収穫が楽しみです。でも栗の実は青いうちにかなりの数が落ちてしまいます。今日は2つ落ちました。果たして最後まで残るのは何個でしょう。

 

園庭に栗の木を植えたということは、イガグリが子供の頭に落ちる危険があるということでもあります。今年はその状況を見極めて対策を考える年にしたいと思っています。茶色くなった秋のイガグリは一瞬たりとも触れないくらい痛いんです。侮れません。子供の中には林での栗拾いの経験などで既にそのことを知っている子もいます。とりあえず今日は頭に当たらなくてよかったなぁ。(^^;;

 

 

青いイガグリを子供が拾いました。青いのでまだ少し柔らかさがあり、慎重に拾えばギリギリなんとか素手で持つことができます。

 

 

「ここにも栗あるよ。」と子供が教えてくれました。よく見ると、イガの上をアリンコが歩いています。「えー、アリさん痛くないのかな?」と私が言うと、男の子が言いました。「アリは小さいからトゲの無いところを歩けるんじゃない?人間が触ると痛いよ。だって人間は大きいから!」と楽しそうに話してくれました。

 

確かにアリはイガの中の方、つまり根元付近を縫うようにして歩いていました。人間の手の指はアリの体よりも太いので、イガの隙間に入ることはできません。だから触るとイガが指に刺さってしまい痛いのです。それを理論的に説明してくれたというわけです。素晴らしい観察力、そして理解力。

 

 

そのうち「お水をあげたくなった。」と言って、バケツに水を汲んで水やりを始めました。水場を何度も往復し、友達も巻き込んで水やりをしてくれます。「大きくなあれ、大きくなあれ。」と口ずさみながら。

 

 

その男の子がまたポツリ。「水と太陽で元気になるって、園長先生が言ってたから。」

 

ジーン…。聞いててくれたんだ…、覚えててくれたんだ…。実は午前中の誕生会で雨と太陽の話をしました。梅雨は雨が多いけど園長先生は嬉しい、だって木や草は水が大好きだから。でも太陽もないと困っちゃう、たくさんお水を吸って、夏に太陽をいっぱい浴びて、木や草は元気に育つんだ、という話をしたのでした。

 

その話を胸に抱いて、せっせと水やりをしてくれる4歳児。素直で暖かい子供の真心を感じました。

 

 

そーっと持てば、痛くないよ! ^^

 

このページのトップへ