保育園日記

泥の研究

[令和2年7月27日]

4歳の子ども達は今、毎日泥の研究で忙しそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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大人も真剣に研究中。子供の遊びの姿を振り返り、保育者としての気づきや願いを語り合い、さらに次の環境設定について検討していきます。

 

 

子どもが作った様々なタイプの泥だんごを会議の場に持ち込み意見交換。子供達の泥だんごの技術レベルが今どの辺りにあるか。泥に対する探究心はどの程度深まっているか。泥をどんな風に楽しんでいるか。泥遊びの内容によって得意な子と不得意な子とがあり、その関わり合いはどんな状況になっているか。場所による土の違い、土の違いによるだんごの出来具合の違い、作り方のノウハウなども保育者同士で再確認していきます。

 

 

 

 

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泥んこ遊びは昔から幼児期の子どもの代表的な遊びの一つと言って良いはずなのですが、近年は泥に抵抗感を持つ子が増えている気がします。汚れることを親が嫌がるということの影響もあるでしょうし、そもそも泥をいじって遊ぶことのできる場所が身近に無くなってしまったということもあると思います。なので園では敢えて泥遊びができる環境づくりをし、積極的に取り組むようにしています。

 

泥には、手触り・色・匂いなどの五感の刺激はもちろんのこと、造形あそびとしての魅力もあります。泥は不思議の宝庫です。子どもは「不思議」に出会うと興味を持ち、自ら探求しはじめます。それが子どもの学びとなり考える力にもなっていきます。探求を通じて自己を充実させ、子どもは自ら育つのです。私たち保育者は、そういう一人一人の子どもの育つ力に寄り添い、共に歩く存在でありたいと思います。

 

4歳の泥んこ遊び、これからさらに広がっていきそうです。

 

精霊まつり

[令和2年7月22日]

 

7月17日、精霊まつりを行いました。

 

今年は新型コロナウィルスの影響により「盆踊り大会」を中止にしましたのでとても残念なのですが、精霊まつりの方は予定通りに行いました。迎え火を焚き、祭壇に野菜や果物をお供えし、散華舞曲を踊ります。園に関わるすべてのご先祖さまをお迎えして楽しく過ごす、お盆の行事です。

 

 

年長児が作ったキュウリの馬とナスの牛。亡くなったご先祖さまが園に帰ってくる時は馬に乗ってサーッと駆けて来て欲しい、そして仏さまの国に帰る時、今度は牛に乗ってお土産をたくさん持ってゆっくりゆっくり帰って欲しい、そういう願いが込められています。

 

 

年長の女の子たちによる散華舞曲。かわいらしい浴衣姿で、花びらを散らして踊ります。仏さまを讃え、ご先祖をお迎えするための大切な儀式です。

 

 

お花やお香なども、園児が心を込めてお供えします。

 

「密を避ける」という趣旨のもと、この精霊まつりも屋外で行うべく準備していたのですが、今年はなかなか梅雨が明けません。結局当日も雨。仕方なく4・5歳クラスだけでホールに集まって行いました。

 

小さい子たちに見せてあげられないのは残念でしたが、高年齢かつ少人数のお陰でみんなとても静かで落ち着いています。しっとりと厳かな雰囲気なかで精霊まつりを行うことができました。これはこれでまたよし、かも知れません。(^^)

 

葉っぱさがし

[令和2年7月9日]

6月の終わりに、年長さんが林で葉っぱ探しの遊びをしました。5月から6月にかけての1ヶ月間、年長クラスでは葉っぱに関わる様々な遊びが展開されてきました。遊びを通じて様々な葉っぱの色や形、手触りや匂いなどに対する感度が高まっている子供たち。林に行く道すがら、すでにあちこちの葉っぱが気になって仕方ない様子です。

 

 

墓地の区画に植えられている植木にたくさんの蜘蛛の巣を発見。

 

「綿あめみたい!」

 

みんな興味津々の様子で美しい蜘蛛の巣を眺めています。

 

 

 

「あめあがりの くものす … 」

 

女の子が何気なく呟いたその一言は、まるで美しい詩のような響きをもって私の胸に届きました。

 

 

林に着くと、寝っ転がって高い木々を見上げます。

 

「あ、葉っぱの色が変わった!」

 

光の差し具合によって変わる葉の色に気づいたようです。

 

「すごい葉っぱが揺れてる」

「気持ちいいー!」

 

子供たちの口から驚きや発見の言葉が次々と溢れ出てきます。

 

私も実際にやってみて驚きました。林の見え方がいつもと全然違うのです。考えてみたら、普段こうして地面に寝転がって木々を見上げるなんてことはなかなかありません。寝っ転がるとものの見え方が変わり、気分もゆったりしてきて、林の緑に向き合う気持ちが一層深まる感じがしました。

 

「みんなで寝転がって見てみたい。」そう言って子供たちと楽しい体験を作り出し、子供のアンテナをさりげなく刺激する担任の感性が、とてもいい感じです。(^^)

 

 

さて、葉っぱ探し。

 

丸い、大きい、ツルツル、ザラザラ、ギザギザ、など、マスの中に様々な言葉が書かれています。その言葉に合うような葉っぱを林の中で自由に探していきます。

 

ある男の子が私に声をかけてきました。

 

「園長先生、しずくのお顔があったよ!」

 

そう言って連れていってくれた先にあったのは…、

 

 

これです。写真では伝わりにくいですが、これ、とても小さな葉っぱなんです。草陰の下の方にひっそりと隠れるように存在していました。

 

本当だ、かわいいお顔だね!よく見つけたねー!

 

と反応したら、その子はとても嬉しそうに得意げな表情を見せてくれました。

 

何気ない小さな自然をよく観察し、色々なことに気づいて楽しむ心が子供たちの中にしっかりと育っています。なんて豊かなんでしょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

葉っぱの製作コーナーもあります。

 

 

妙に似ています…。笑

 

 

シュロの葉は子供たちに人気です。

 

葉の硬さや大きさが良いんだと思います。衣装にしたり、剣にしたり、ハサミで細かく切ってままごとに使ったり。色々楽しめるありがたい存在です。

 

 

しゃがみこんで黙々と何かしています。

 

 

覗き込んでみると、なんと三つ編みでした。器用に編んでいます。この子はこれが気に入ったようで、一人で黙々と編み込み続けていました。

 

 

みんなが見つけたたくさんの葉っぱを、グループごとに発表しました。

 

 

「葉っぱを探す」という単純な遊びだったのですが、約2時間にわたっての充実した活動になりました。子供達は葉っぱをちぎったり匂いを嗅いだり、自ら主体的に葉っぱと向き合い、一枚一枚の個性を楽しみながら活動していました。

 

自然への感性が十分に育ってきているからこそできる豊かな遊び。ここで培われたものは、一人一人の根っこになって、必ず次の遊びへと繋がっていきます。季節の移り変わりとともに、これからも楽しく過ごしていきたいです。

 

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