おえしきの準備
[平成30年10月31日]
もうすぐ妙福寺の御会式(おえしき)です。御会式は日蓮さま(お祖師さま)のご命日のお祭り。つまり日蓮さまの法事です。今年は737回目のご命日なので、737回忌の法事ということになります。
妙福寺の御会式の初日の夜に行われる「御逮夜万灯行列」は、300年の歴史を誇る地域の伝統行事でもあります。江戸時代から途絶えることなく続けられてきました。参道に露店が並び、境内は奉納舞や万灯の見物客で溢れかえります。二日目は厳かな稚児行列と音楽大法要が営まれ、本應院(会館)では「おえしきフリーマーケット」も開催されます。保育園では年中児と年長児が稚児行列と音楽大法要に参加します。
今日はその準備、確認をしました。
「おえしき桜」が飾られた祖師堂。日蓮さまが亡くなられた時に桜が満開に咲いたと伝えられており、今でも御会式には檀家さん達の手によって「おえしき桜」が手作りされ飾られるのです。
讃仏歌。子供達のきれいな歌声が堂内に響きます。
園児による献香、献花、献供。美しい合掌の姿。
み仏に見守られ、お祖師さまに導かれ、この妙福寺の境内で子供達は健やかに育っています。その姿と歌声をお供えし、感謝の真心を捧げ、日々の安らかな幸せと世界の平和を祈りたいと思います。ぜひご参列ください。
グランドキャニオン
[平成30年10月30日]
さくら組のテラス前、園児じゃなく園長お手植えのモミジバフウ。トゲトゲの大きな実と真っ赤な紅葉が魅力の木です。今年は植えたばかりで実が生っていませんが、葉っぱは早くも紅葉し、子供達の目を楽しませてくれています。
保育園のグランドキャニオン。
蛇行するコロラド川に、
巨神兵、現る。
砂場の砂を変えてから、子供達が砂場に張り付いて遊ぶ時間増えている気がします。友達との共同作業も増え、狙い通りに砂遊びが深まっています。
ちなみにこのグランドキャニオンをさらに深く深く掘っていったら、なんとブラジルが見えたらしいです。
季節も、遊びも、静かにそっと深まる今日この頃です。
ミニバナナ
[平成30年10月29日]
金曜日、私は寺の仕事で園を不在にしておりましたが、その後年長クラスの担任から報告が入りました。
「年長の子供達もブラックバナナをたくさん見つけました。ほとんど茶色か黒でしたが一つだけ緑のものがあり『最初は緑なんじゃない?本当のバナナも最初は緑だよね!』と子供達が言っていました。」と。
素晴らしい感性、そして洞察力。来年は絶対に子供達と一緒にフレッシュな緑のバナナを見つけたいです。
そして更に「絵の具で色付けし、本当のミニバナナを作っている子もいました。」と。
それがこちら。ワオ、こりゃまさに本物のミニバナナです!
クヌギのどんぐりと比べると、バナナ(右端)の小ささがよく分かります。
ほらね、やっぱり新しい遊びが生まれました。子供は本当に遊びの天才です。とても小さな遊びですが、子供の世界は確実に少し広がりました。今朝子供達に会うとすぐに「色塗って本物のバナナ作ったんだよ。」と報告してくれました。木曜日の誕生会の中で、カツラの種を発見した話をしたのですが、それを聞いた年長児が早速興味を持ってくれたわけです。
今年の年長は特に種好きなんです。これまでにも色んな種を植えて育ててきました。そういう生活の中からカツラの種の話にも興味が向かい、この遊びは生まれてきたわけです。今度はまたこれが一つの新しい種になって、ここから次の遊びが生まれてくることでしょう。
自然は楽しいことに溢れています。
ブラックバナナ、ナド
[平成30年10月24日]
子供達の遊びを観察しながら園庭をぶらぶらしていると、2歳の女の子が走り寄ってきて言いました。
「バナナ。」
はじめ何を言っているのかピンとこなかったのですが、その子の手の中にあるものをよくよく見せてもらうと、そこには本当にバナナがありました。
黒いバナナ。黒バナナ。ブラックバナナ。
写真だと分かりづらいのですが、大きさこそ違いますが形はバナナそっくりです。たわわに実ったバナナの房状態。すごく小さいのでブラックミニバナナだな。いや、このサイズだとミニじゃなくてナノかな。ブラックナノバナナ。今っぽく攻めるなら「ブラックバナナ・ナノ」とか。キャッチフレーズは「これバナナなの?!黒バナナ・ナノ!」的な。売れるかな、いや、売れないか、美味しくなさそうだし………。って、どーでもいー話!
「え、すごい。どこで見つけたの? 教えて!」と頼んだら連れて行ってくれました。
そこは、カツラの木。
他の子供達が担任と一緒に夢中で拾い集めていました。みんな口々に「バナナ、バナナ。」とつぶやいています。
これは何なのでしょうか? 実は私も初めて見たのでした。バナナ状の房が縦に割れると、中にツブツブが入っているのが見えます。きっと種です。サヤエンドウのような感じ。それがカツラの木の根元にたくさん落ちている。ってことは…、これってカツラの実?!
そう思って木の枝を見上げて目を凝らしてみました。発見!葉っぱの間にまだ落ちずについている実を確認。まさしくこれはカツラの実だったのです。私が興奮していると子供達から「僕にも取ってー、私にも取ってー!」とせがまれます。地面に落ちているのよりも木についているやつの方がいいみたいです。はいはい、と探して渡してあげようとしましたがなかなか見つけることができません。もうほとんどシーズン終了という感じなのでしょう。でも、とにかくこれは素晴らしい発見。今まで気づかなくてちょっと恥ずかしいですが、嬉しいです。なんだかここからまた楽しい遊びが生まれていきそうな予感です。
一緒にカツラの木を見上げていた男の子がポツリ。「これ、ちょっと眩しいんだよ。ほら。」そう言ってカツラの枝葉の間から注ぐ木漏れ日を目を細めて見つめています。カツラの葉は紅葉にはまだ少し早く、下から見上げると透き通った黄緑色のさわやかな美しさです。風が吹いて枝葉が揺れると、その隙間から眩しい太陽の光がキラキラっと差し込んできます。美しくさわやかな木漏れ日を、目を細めてしばらく見つめる子供の感性とその表情の可愛らしさに、しばらくジーンときてしまう園長でした。
こちらの1歳の女の子が持っているのバナナではありません。一体何でしょう?
正解は巨大なシイタケ。ナノではなく、こっちはメガです。いや、メガよりもギガかな? ギガ・マッシュルーム…。やっぱりなんか美味しくなさそう。涙) ん?そう言えばそんな名前の食べ物が流行ってるって話を、以前テレビで見たような。あの店まだあるのかな? ……って、またまたどーでもいー話!
去年、一昨年と子供達がコマ打ちして育ててきた原木のシイタケです。数日前からこの秋の収穫が始まりましたよ。今年はたくさん採れそうな予感です。
少し冷たくてしっとりとした感触。子供の五感を刺激してくれます。匂いも手触りも、そして表面の不思議な模様も。採れたらそのまま給食室へ運んで調理してもらい、給食で子供達が食べるのです。味わうことも五感の一つ。自然は素晴らしい刺激の宝庫です。これがまた美味しいんだな〜、ホントに!
こちらは2歳の部屋に集められたクヌギのどんぐり。昨日のミニ遠足で拾ってきたようです。クヌギのシーズンはほぼ終了ですが、現地にはまだたくさん落ちていたらしく、大量のどんぐりを目撃して興奮した子供の口から飛び出した言葉は「夢みたい!」。本当に夢のような光景だったのでしょう。(^^)
そのどんぐりで作ったパフェ。ダイナミックです。
これまた大迫力。クヌギの枝の切れっ端ですね…。これをカップに生けちゃうセンス、フリースタイル過ぎます…。(^^)
そんな2歳児は、花も大好き。
日常の中で様々な自然に触れながらのびのびと遊ぶ子供達。運動会が終わり、豊かな豊かな実りの秋が始まっています。