おねはん
[平成27年2月17日]
2月15日はお釈迦さまのお亡くなりになられた日で、その日を涅槃会(ねはんえ)と呼びます。
涅槃とは、昔のインドの言葉「ニルバーナ」「ニッバン」が音写されたもので、「火を消す」というような意味の言葉です。煩悩の炎を吹き消したスーッと静かな状態を指します。それはつまり「さとり」のことなのですが、ではなぜこれがお釈迦様のご入滅(死)を表す言葉として使われるのでしょうか。
人はどんなに修行をしても肉体があることで様々に心を惑わされる可能性があります。熱い寒いを感じたり、目に見えるもの、口で味わうものなどにいちいち心を揺らされてしまうのです。でも死んで肉体が無くなれば、そうした感覚もすべて無くなり、いよいよ本当に静かな境地を獲得することができる、と考えたのです。死 → 肉体の消滅 → 感覚の消滅 → 本当のさとり、というわけです。このようなことから、涅槃がお釈迦様のご入滅を表す言葉として使われているのです。
ちなみに、さとりを得るということは「仏に成る」ということですが、私達が死後に「成仏」を願うのも同じことです。死ぬことで肉体が滅し、あらゆる迷いが無くなり、静かな安らかな境地を獲得できますように、と願うわけです。安らかな世界の獲得は、いつも色々なことに悩み苦しみながら生きている私達人間の根本的な願いなのでしょう。
園では13日に子ども達と本堂にあがり、大きな涅槃図を見てお釈迦様に思いを馳せました。お釈迦さまのお亡くなりの物語を聞き、みんなでお焼香をして、六つの約束をお唱えしました。人間としてのお釈迦様は遠い昔に亡くなられましたが、お釈迦様がお説きになった教えは時を超えて受け継がれ、子ども達の心の中に生き続けていきます。
六つの約束(六波羅蜜)
一つ、お友達と仲良くできる子になりましょう。(布施)
一つ、お父様お母様の言いつけをよく守れる子になりましょう。(持戒)
一つ、がまん強くしまいまでやり遂げる子になりましょう。(忍辱)
一つ、丈夫な体でよい子になりましょう。(精進)
一つ、慌てないでいつも心の優しい子になりましょう。(禅定)
一つ、物事をよく考えて良いことをする子になりましょう。(智慧)
大きな氷が取れました。