保育園日記

葉っぱさがし

[令和2年7月9日]

6月の終わりに、年長さんが林で葉っぱ探しの遊びをしました。5月から6月にかけての1ヶ月間、年長クラスでは葉っぱに関わる様々な遊びが展開されてきました。遊びを通じて様々な葉っぱの色や形、手触りや匂いなどに対する感度が高まっている子供たち。林に行く道すがら、すでにあちこちの葉っぱが気になって仕方ない様子です。

 

 

墓地の区画に植えられている植木にたくさんの蜘蛛の巣を発見。

 

「綿あめみたい!」

 

みんな興味津々の様子で美しい蜘蛛の巣を眺めています。

 

 

 

「あめあがりの くものす … 」

 

女の子が何気なく呟いたその一言は、まるで美しい詩のような響きをもって私の胸に届きました。

 

 

林に着くと、寝っ転がって高い木々を見上げます。

 

「あ、葉っぱの色が変わった!」

 

光の差し具合によって変わる葉の色に気づいたようです。

 

「すごい葉っぱが揺れてる」

「気持ちいいー!」

 

子供たちの口から驚きや発見の言葉が次々と溢れ出てきます。

 

私も実際にやってみて驚きました。林の見え方がいつもと全然違うのです。考えてみたら、普段こうして地面に寝転がって木々を見上げるなんてことはなかなかありません。寝っ転がるとものの見え方が変わり、気分もゆったりしてきて、林の緑に向き合う気持ちが一層深まる感じがしました。

 

「みんなで寝転がって見てみたい。」そう言って子供たちと楽しい体験を作り出し、子供のアンテナをさりげなく刺激する担任の感性が、とてもいい感じです。(^^)

 

 

さて、葉っぱ探し。

 

丸い、大きい、ツルツル、ザラザラ、ギザギザ、など、マスの中に様々な言葉が書かれています。その言葉に合うような葉っぱを林の中で自由に探していきます。

 

ある男の子が私に声をかけてきました。

 

「園長先生、しずくのお顔があったよ!」

 

そう言って連れていってくれた先にあったのは…、

 

 

これです。写真では伝わりにくいですが、これ、とても小さな葉っぱなんです。草陰の下の方にひっそりと隠れるように存在していました。

 

本当だ、かわいいお顔だね!よく見つけたねー!

 

と反応したら、その子はとても嬉しそうに得意げな表情を見せてくれました。

 

何気ない小さな自然をよく観察し、色々なことに気づいて楽しむ心が子供たちの中にしっかりと育っています。なんて豊かなんでしょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

葉っぱの製作コーナーもあります。

 

 

妙に似ています…。笑

 

 

シュロの葉は子供たちに人気です。

 

葉の硬さや大きさが良いんだと思います。衣装にしたり、剣にしたり、ハサミで細かく切ってままごとに使ったり。色々楽しめるありがたい存在です。

 

 

しゃがみこんで黙々と何かしています。

 

 

覗き込んでみると、なんと三つ編みでした。器用に編んでいます。この子はこれが気に入ったようで、一人で黙々と編み込み続けていました。

 

 

みんなが見つけたたくさんの葉っぱを、グループごとに発表しました。

 

 

「葉っぱを探す」という単純な遊びだったのですが、約2時間にわたっての充実した活動になりました。子供達は葉っぱをちぎったり匂いを嗅いだり、自ら主体的に葉っぱと向き合い、一枚一枚の個性を楽しみながら活動していました。

 

自然への感性が十分に育ってきているからこそできる豊かな遊び。ここで培われたものは、一人一人の根っこになって、必ず次の遊びへと繋がっていきます。季節の移り変わりとともに、これからも楽しく過ごしていきたいです。

 

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