保育園日記

散歩のない保育園

[令和7年5月20日]

良い天気。まるで夏のような暑さです…。こう暑いと各園散歩もなかなか大変だと思います。

 

さて、うちの園は……

 

 

午前中の園庭に子どもたちが全然いないように見えますが、

 

 

散歩に出てしまったわけではなく、みんな奥の方の木の下で遊んでいました。日向は暑いですが、湿度が高くないので木陰はとても涼しく快適です。

 

 

年長は何やら、

 

 

葉っぱで遊んでいます。

 

 

2歳はお店屋さんを開いていました。

 

 

3歳は自由な料理の真っ最中。

 

 

自然はともだち。

 

この子が触れている葉はバンペイユという柑橘類の木なのですが、ちょうど今まさに白い花が満開で、辺り一面に甘〜い花の香りが漂っています。まさに天然アロマテラピー状態です。

 

 

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「うちは、散歩のない保育園です。」

 

最近私(園長)は自園のことをそう表現しています。え?って思いますよね(笑)。ちょっとインパクトを持たせるために敢えてそう言ってみるんです。その真意はもちろん、自然たっぷりの広大な敷地があって「園外に出かける必要のない、素敵な保育園」という意味です。

 

これって子ども達だけではなく、そこで働く保育士にとっても幸せなことなんです。散歩とは、保育業界では一般的に近所の公園など子ども達の遊び場への移動のことを指すわけですが、それがないということはその分遊びの時間を充実させることができます。また散歩に出る場合は安全管理のために「散歩計画書」を作らなければならないのですが、散歩がなければ計画書も必要がないのでその分保育士の業務は減ります。園外に子どもを連れ出すことがないので、交通事故や園児の見失いなど保育士が背負うリスクもその分小さくなります。

 

先日東京都の監査で「散歩計画書が見当たりません、出してください。」と言われ、「うちは散歩をしないので計画書はありません。」と答えたら「あ、そうですよね…苦笑」となりました。今のご時世、本当に珍しい、本当に素晴らしい保育園です。

 

子ども達は日頃から妙福寺の境内全域を遊び場にしています。妙福寺境内は敷地面積が1万坪以上、東京ドームとほぼ同じです。さらにその大部分が練馬区の保護樹林に指定されており、大木に囲まれているのです。日差しの強い日でも十分快適に外遊びをすることができます。その中のごく一部である園庭の木陰だけでも、ご覧の通り混み合うということはありません。なので各クラス、どの子もみんな、やりたい遊びを遠慮なく思い切り展開できます。

 

毎日の運動量の多さ、木々や草花・枝・石・虫など様々な自然に触れる量、それに伴う刺激のバラエティの豊かさなど、子どもたちの育ちに重要なものが豊富に揃っているのです。これは子どもたちにとってかけがえのない環境であることはもちろんのこと、繰り返しになりますが、共に過ごす保育士たちにとっても、すごく幸せなことなのです。

 

長い長い寺の歴史の中で、様々な紆余曲折があっても、こうしてこの環境が守られ維持されてきたことに本当に感謝の気持ちで一杯です。

 

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