保育園日記

感動

[平成28年5月26日]

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4歳児クラスのお帰りの時間。ピアノに合わせて体を動かし、リズム遊びを楽しんでいます。この時間帯はどのクラスからもピアノの音と楽しそうな子ども達の歓声や歌声が響いてきます。

 

ちなみに、この年齢のリズム遊びにはこんな深い意味(以前の記事)もあるということを、改めてお伝えしておきます!

 

 

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ところで、こちらは先日ふらりと立ち寄った店で見つけた置物です。磨りガラスにまるで絵の具で着色したような優しい風合。一つ一つ手作りで作られているそうです。保育室に置いたら可愛いいなと思い、思わず衝動買いしちゃいました。「絵の具で塗ったの?」「お馬さんを被ってるの?」と、子ども達の反応もなかなかです。

 

そんななか、ある3歳の男の子が「園長先生、お馬さんのギターは?」と発言。今これにしみじみと感動している私であります。なぜかと言うと…。

 

昨年度の2月の誕生会でギターを弾きながら「スーホの白い馬」の素話をさせてもらいました。このお話は馬頭琴というモンゴルの楽器を題材にしたちょっと悲しいお話ですが、その馬頭琴をギターで再現?するために、ヘッドの部分に小さな馬の頭(手書きの手作り)の被せ物を付けていたのです。20分近くに及ぶ少し長めの話になってしまいましたが、子ども達は集中して物語の世界に入り込み、熱心に聞いてくれました。あれから3ヶ月。この男の子はその時のことを覚えてくれていたようで、今回のガラスの置物の馬の帽子を見て、思いがそこへ繋がっていったのだと思います。とても嬉しかったですし、そういう子どもの心の動きにジーンと感動してしまいました。

 

 

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そして、もう一つ。

 

昨日の記事に書いたアジサイですが、葉が青虫に食べれてらて穴だらけになってきています。それを眺めていたら、ふと、あるものを発見しました。この写真の真ん中あたりでじっとしている物体です。拡大してみると……。

 

 

 

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ジャジャン♪

 

葉についた青虫を狙っていたのでしょうか。葉の上でじっと動かずに待機しています。

 

先日、3歳クラスでカマキリの卵が孵る瞬間を子ども達と目撃した、卵からウジャウジャとカマキリの赤ちゃんが出てくるところを見て大興奮した、という報告を受けていました。

 

卵の殻を飛び出した瞬間から、カマキリ達のそれぞれの人生が始まります。大海原でただ一匹泳ぎ始める魚の稚魚のように、このカマキリ君も広い大地に小さな体で立ち向かい、弱肉強食の世界を生きているのです。頑張れカマキリ君!立派に育って欲しいです!! 

 

ってな具合に感動しちゃった、というお話でした。

 

あじさい

[平成28年5月25日]

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園庭の紫陽花がきれいに咲き始めました。つい先日新年度が始まったばかりと思っていたのに、あっという間に5月が終わってしまいます。そして今度は梅雨が近づいてきているということですね。

 

この紫陽花は、昨年檀家さんが鉢植えでお寺に持ってきて下さったものです。花を楽しんだあと園庭に植え付けたのですが、きちんと囲いをしていなかったため、冬の落葉期に子ども達が気づかずに蹴飛ばしたり踏みつけたりしてしまってとても可哀想な状態になっていました。でもそのまま様子を見ていたら健気にも新芽を出してきましたので、急いできちんと囲いをしてあげました。そしたらこうして立派な花が咲きました!素晴らしい生命力です。紫陽花さんごめんなさい、これからは大事にします!

 

 

 

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さて、3・4歳が一緒に泥んこ遊び(作業?)をしていました。

 

 

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本日のミッション : 田んぼの残り土で築山の穴を埋めよう!

 

ところがその土がとにかく固い。そしてその固い土のブロックを一つ一つ剥がしながら、子どもがつぶやいています。

 

「ガッチン、ガッチン。 ガッチン、ガッチン。」

 

音の響きと指先の感触とが一つになって、言葉が口をついて無意識に流れ出てきているのでしょう。その後しばらくして、そばで見ている私に「固くて石みたいだよ。」と教えてくれました。

 

 

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岩のように固くて重い土を、山に運びます。

 

 

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山の穴を埋めるはずなのですが………、埋めるどころか逆に穴や川が掘り進められているじゃありませんか。ありゃ!!(爆)

 

 

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泥スープ

 

 

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水汲みは、年齢に関係なく順番です。

 

と、作業(?)をしながら午前中一杯夢中で遊んでおりました。

 

1歳児もプランター田んぼで田植えをしていましたが、泥に触るのが嫌で泣く子が続出〜!!

 

 

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2歳は体操指導でした。

 

 

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年長はたこ焼きゲーム。

 

 

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鼓笛のパート練習も始まっていました。

 

 

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伝統

[平成28年5月20日]

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以前紹介した「あの技」が受け継がれています!(4歳)

 

 

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しかも座布団2枚のラグジュアリー仕様!

 

「紐のところを持つとね、ちょっと危ないから。」と言って、鉄棒を握りながらブランコをしています。 結び目は「ひと結び」なので確かにすぐ解けそうです。危険と安全を自分で判断し、ギリギリのところで遊びを楽しむ子どもの姿に感動します。そのうち、しっかり結んで思い切りブランコを楽しむようになるはずです。

 

 

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そしてこちらは「蜘蛛の巣」とのこと。

 

 

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スパイダーマン?

 

 

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これは、なんでしょうか。

 

 

うちの園児はいつもこんな風に縄跳びの紐で遊びます。他の園ではどうなのでしょう。うちでは一つの伝統になっています。結構工夫が必要で、一人で黙々と、あるいは友達とあれこれ試行錯誤しながら遊びを作っていく姿は、素朴ですがとてもいいものです。

 

 

そういえば、紐ではないですがこんな写真(去年)もありました。

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使っているのは砂場用のスコップと箒です。苦笑

 

 

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年長がリレー遊びをしていました。

 

 

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負けて悔しくて泣いてます。

 

 

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泣いてます!

 

 

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泣いてます!!

 

秋の運動会の頃には、悔しさを乗り越えて「勝負」を楽しめる子になります。

 

田植え

[平成28年5月19日]

例年この時期はどろんこの話題が続きます。

 

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今日は年長さんの田植えでした。

 

 

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これまで毎日少しずつ土をほぐして田んぼの土作りをしてきました。

 

 

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そしていよいよ田植え。

 

 

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新潟の魚沼から送ってもらったコシヒカリの苗を、

 

 

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プランター田んぼに植えていきます。例年の秋田の「ひろっきぃ米」(ミルキークイーン)もこれから植える予定。今年はそれぞれの稲の成長を比べてみます。

 

 

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昨年までプール田んぼに取り組んできましたが、成果を踏まえて園内で議論をした結果、今年は一度プランター田んぼに戻すことになりました。

 

 

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気持ちいい〜! と、子ども達の歓声。

 

 

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この後みんなで裸足になって土をこね、さらに苗を植え、またまた泥んこになって遊びました。でも肝心の写真がありません。私自身も全身泥まみれでカメラを触れずじまい…。残念!

 

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さて、話の続きを少し。

 

今日子ども達と田んぼの土をこねている時、土がトロトロになるほどに「わー、気持ちいいー!」と皆嬉しそうに歓声を上げていました。でも、その傍らである男の子が言いました。

 

「うー、絶対触りたくない!だって、汚れるとママに怒られるもん。」

 

結局彼は土をまともに触ることなく活動を終わらせました。

 

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「敏感期」という言葉をご存知でしょうか。子どもの体験や学びには年齢に応じた適切な時期があるという考え方です。人間は成長発達の過程で様々なことに出会い、体験し、それを基礎にして色々な能力を獲得していきます。子どもはある特定の時期にある特定の感覚が敏感になり、その時期にその感覚を適切に刺激してあげることが大事ですよ、それが無いとその部分の能力は獲得されず欠落したまま成長していくことになりますよ、というのです。

 

まぁ正直なところ「欠落したまま成長していく」と断言できるかどうかは分かりません。でもとにかく、この時期の子どもは色々なものを触ることが必要で、それは子どもが本能で求めていることであるということは思います。触ったり、匂いを嗅いだり、味わったりという感覚がこの時期は特に敏感で、そこで得た感覚を脳にインプットして、それを後で活用するようになるのです。

 

子ども達にとっての「体験や学び」「刺激」というのは、つまり毎日の遊びのことです。だから保育園は色々な遊びを考えるわけです。保育者は遊びを通して子どもの五感を刺激することをいつも意識しています。大人にとって仕事が大切なように、子どもにとっては遊びが大切です。特に五感を刺激する遊びです。遊びは子どもの仕事なのです。遊びを通じて培われた力は、大人になって必ず生きてきます。それは思考の幅を広げ、能力を高め、人生を豊かにしてくれる種です。とてもとても大切なものなのです。

 

泥汚れは洗濯しても落ちにくくて厄介です。ただそれは大人の都合で、子どもは気にしません。彼らは本能の赴くままに、自らが生きるために必要なことをしようとしているだけです。だから、服の汚れは豊かな学びの証です。どろんこで服が汚れたら、褒めてあげた方がいいくらいです。なのにいつも怒られるから、子どもの心は萎縮し、本能は抑圧され、土を触れない子になります。そしてそのうちに敏感期を過ぎてしまい、その時期に学ぶべき多くのことを学ばずに次のステップに進んでしまうことになるかもしれません。

 

昨日の林の泥遊びでどろんこを触るのを嫌がっていたある別の男の子。お友達の楽しそうな姿を見ていて、ついに我慢できなくなったのでしょうか。今日の田植えでは自分の殻を破り、手を泥だらけにして夢中で泥いじりをしていました。つまりどろんこは子どもが夢中になれる教材だということです。夢中になって遊ぶことは、子どもの一番大事な務めです。大人はそれを制止するのではなく、「楽しかったね!」「気持ちよかったね!」と充実感や満足感を共有し、「またやろうね!」と次への期待を膨らませてあげることです。それが本当の「教育」であり、保育の心です。

 

と、話が色々広がってしまい前回の続きになったか分かりませんが、何となくでも言いたいことが伝わるといいな〜と思いながら、今日はこの辺で終わりにします!

 

 

P.S.

今回の田植えは、活動の流れの中で担任が想定していた以上に遊びが発展し、少し迷いながらもその流れを大切にしました。子どもは夢中になって遊びました。でも、靴や服が想定以上に泥んこになってしまい、保護者の皆様に予定外のご負担をお掛けすることになったと思います。大変申し訳ありませんでした。

 

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