保育園日記

運動会にむけて

[平成30年10月2日]

本日、運動会の予行練習を行いました。これはつまり本番に向けた「運動会ごっこ」です。ごっこの中で子供は夢中になり、同時に大人は色々確認します。どの子も一人一人が生き生きと取り組めているか?その子らしさが発揮できているか?無理はないか?安全は確保できているか?動きや流れに支障はないか?などなど…。子供も保護者も職員もみんなが笑顔になれる運動会です。楽しい1日になるよう準備を進めています。

 

 

 

 

 

 

雲ひとつない真っ青な空のもと、子供達は生き生きと、本番さながらに気合が入って盛り上がっていました。準備万端です。どうぞ当日をお楽しみに!今年は晴れてくれー!

 

 

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午後、年長のテラスにこんなものが…。昨日の松です。どうやら子供達が自主的に作業をしていたようです。

 

 

よく見るとこんな素敵なものが出来上がっています。花瓶にビー玉を入れるなんて、子供達のセンスに脱帽です。

 

 

ちょっとお盆の上にレイアウトしてみました。素敵♪

 

 

その後砂場で何やら盛り上がっています。

 

「園長先生見て。ピタゴラスイッチ。」

 

掘った溝にどんぐり(クヌギ)を転がしているのでした。今クヌギのどんぐりが最盛期を迎えています。敷地内のある場所に行くと数限りなく拾うことができます。大きなまん丸いどんぐりはよく転がりますし、見た目も堂々としているので子供達に大人気です。

 

 

そのうち男子も参加して水が注ぎ込まれていました。

 

 

その傍らにも例の松が。どんぐりと並べてカップに生けられています。これまた素晴らしいセンス。(^^)

 

 

ぎんなんの収穫も大流行。触るとかぶれることがあるのを皆知っているので、ほとんど心配いりません。シャベルで上手に皮をむき、中身だけを器に入れていきます。ある意味これもうちの文化かもしれません。くさいとかの文句を誰も言わず、当たり前のように黙々と収穫し遊んでいます。なんか素晴らしい。(^^)

 

 

食べるだけじゃなく、ままごとにも使われるわけです。

 

 

3歳のアサガオ。みんなでタネを収穫し、

 

 

嬉しそうに数を数えています。

 

運動会の予行練習はもちろんなのですが、その後の子供達の遊びがとても豊かです。なんて贅沢な時間でしょう。子供の遊びのチカラにしみじみと感動してしまう園長なのでありました。

 

台風24号

[平成30年10月1日]

台風24号。またも被害甚大です。8月27日のゲリラ暴風雨と9月4日の台風21号のダブル攻撃で完全にノックアウトされていた妙福寺なのですが、さらに追い討ちをかけるような今回の台風。もう、どうなっちゃってんの?!ですよ、ホントに。

 

 

園庭のヤマモモ…。でも、なんとか助けらるみたいです!

 

 

本堂前のケヤキの大木のてっぺん付近の枝が、ボッキボキに折れて何本も落下。写真では分かりづらいですがチェーンソーでなければ無理なほどの太い枝が何本もあります。恐ろしや…。

 

 

林(第二園庭)の杉の木。こちらもボッキリ!

 

 

恐る恐る塀の外を見てみると……、キャ〜!!

 

倒れた3本の木がクロスしながら電線に引っかかり、かろうじてお隣さんのお家を壊さずに済んでます…。おいおい、頼むぜよ〜。涙

 

林の木は合計5本、根こそぎ倒れました…。

 

 

ちなみにこちらは前回の被害…。本当に強烈です。

 

 

住職園長の苦労、多少でもお分かりいただけましたでしょうか…? 義援金は保育園事務所にて受け付けております。(^^)

 

 

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といった感じではありますが、台風は子供達に素晴らしいプレゼントを届けてくれたりもするので、台風の後はなんだかワクワクしちゃう部分もあるんです。

 

 

ボッキリ折れた参道の松から切り取った枝。

 

 

モシャモシャのみずみずしい松葉。新鮮な松というのは、なかなかの贅沢です。ぜひ花瓶に挿して各部屋に飾ってほしいな。もちろん遊びにもバンバン使えます。

 

 

ヘルメットで作業中の私に4歳女子ーズが声をかけてきました。「園長先生、工事のおじさん?」 はい、工事のおじさんです。笑

 

私:「その枝(写真右)のさ、切った丸いところの匂いを嗅いでごらん。いい匂いがするよ。」

 

女子:「あ、いい匂い!」

 

別の女子:「虫よけの匂いだ!」

 

最近の子供たちは、スースーする匂いを嗅ぐとすぐに「虫よけ」と言います。可愛い発言ではありますが、なんとなく「う〜ん、これでいいのだろうか…?」って気持ちにもなったりします。それはともかく、松の丸太は松ヤニのお陰でスースーしたいい匂いがするのです。松ヤニはノコギリにこびりついて切っている時の滑りが悪くなるし、なかなか取れないので結構厄介なのですがね。

 

 

切り口。年輪のところからベタベタした松ヤニが浸み出します。

 

 

 

 

 

 

 

スースーと言えばこちらも豊作。境内のどまんなか、カヤの実です。とってもスースーします。松ヤニとはまた違ったスースー。あなたはどちらがお好みですか?ぜひ嗅ぎに来てください。

 

 

これも大豊作。こいつは全然スースーしませんぜ!

 

 

でもやっぱり最高のプレゼント。これから子供達の作業が始まりますね。秋の味覚、ぎんなんです。新鮮なぎんなんは透き通った緑色で、まるで宝石のようにきれいなんです。味は甘みがあって子供たちも大好きです。

 

 

秋の虫も色々と豊富なようです。

 

 

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自然は恐ろしく、同時に、自然は楽しいです。前回の台風も今回の台風もお寺としては被害が甚大ではありましたが、幸いなことに怪我人などはありませんでした。仏天のご加護でしょうか。安全を確認できたら、一目散で台風のプレゼントをもらいに行きましょう。今は運動会前の忙しい時期ではありますが、日々変化する自然の営みを存分に味わいながら過ごしていきたいです。

 

 

プール監視台

[平成30年9月27日]

ジャーン!

 

完成しました。プール監視台、特注サイズ(高さが低い)。って、もう今年のプール遊びはとっくに終わっちゃったじゃないですか!というツッコミは無しです。特注ですからね。時間が掛かかるのは承知の上です。来年慌てないために今のうちに準備ですね。

 

 

あら、よく見えるわ♪ と、嬉しそう。座り心地もなかなかです。

 

もうあの姿が見られなくなってしまうのはちょっと寂しいです。笑)でも、これでまた夏のプール遊びの安心材料が一つできました。よかったよかった。(^^)

 

 

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26日、年に一度の防犯訓練を行いました。園内に不審な人物が侵入したことを想定し、発見、通報、対応、子供の避難などについて訓練します。不審者の行動とその対応に関するシナリオは一切ありません。すごくリアルな訓練で、毎回結構な揉み合い(?)になり、私はものすごーく怖い思いをさせられています。でも毎年繰り返しているとなんとなくコツみたいなものも分かってくるというか、相手の行動や言動を予測をして慌てずに対応できるようになる気がしますから、訓練は大切だなと感じます。

 

訓練の後は子供達と一緒にお巡りさんのお話を聞いて終わりです。石神井警察署の皆様、ご協力ありがとうございました。

 

お泊まり保育4

[平成30年9月23日]

お泊まり保育報告、最終回です。

 

 

午前中の境内ビンゴゲーム&散歩が終わり、いよいよお泊まり保育も大詰めとなった頃、外は雨が上がり、なんと青空まで見えてきました。まるで楽しかったお泊まり保育を祝福してくれるかのように、花壇の緑がキラキラと輝いています。ヲイヲイ。笑

 

 

子供達はテラスで絵本を読んでもらっています。題材はスイカ。スイカを叩いてボンボンボン。その音で中身の出来具合を当てることができちゃうスイカ爺さんのお話。興味津々で聞き入っている子供達です。

 

今年の年長は、給食で食べたスイカのタネをプランターに植え一生懸命お世話して育てていました。やがて芽が出て花が咲き、順番に3つの実が生ったのですが、次々と腐ってダメになり、結局あの最後の一つもその後うまく育たずダメになってしまいました。まぁ育て始める季節が遅すぎたということも大いにあるとは思いますが、とにかくたとえ小さくても皆で育てたスイカを分け合って食べることを楽しみにしていた子供達は残念無念です…。でも、その様子を見ていた担任が素敵な提案をしたようです。それは、育てたスイカを食べることはできなかったけれど、代わりに今回のお泊まり保育でもう一度大きなスイカを買ってもらってみんなで食べよう!ということです。それで一つの区切りというかケジメというかがつきますし、きっと子供達の気持ちも晴れ、心がスッキリするでしょう。

 

そして、食べたスイカはとても甘くて美味しいスイカでした。今年最後のスイカかもしれません。

 

 

ところでこの日、最後の頃にちょっと良いなと思えるシーンがありました。

 

 

土曜保育で登園していた年中児が、雨上がりの園庭でストライダーに乗りスラロームをしています。グルグルと何度も何度も繰り返しながら上手にコーン(バケツ)を左右にすり抜けていきます。そしてその子供達がストライダーを運転しながらこんなことを口ずさんでいるんです。「フレーフレーあかぐみ、ガンバレガンバレしろぐみ。」

 

 

ちょうどその時、干し芋を貰うためにテラスに年長が並んでいました。そして並びながら年中のストライダースラロームを見つめ、あれやこれやと歓声や野次(?)を飛ばしています。

 

 

これはとても良い光景でした。なぜかと言うと、実は今年の運動会で年長がストライダーのレースをする予定があり、最近園庭でその練習をしていたようなのですが、その様子を年中の子達がどこかで見ていたのだと思います。自由遊びでストライダーに乗った子達が、お泊まり保育のために園庭に張っていた青テントの所までやってきて、柱の周りをグルグルと走り始めたのです。それを見ていた土曜保育の職員(うまい具合に年中の担任でした)が、それならということで近くにバケツコーンを並べて小さなコースを作ってあげました。そうしたら、それを子供達は延々と回り続けて遊んだというわけです。あの応援の言葉を口ずさみながらです。

 

これは「憧れ」ですね。年中の子供達は年長のストライダーレースを端で見ていて、その姿に憧れていたのだと思います。彼らの頭の中は、きっと完全に年長さんのストライダーレースのイメージ、そしてそれを応援している誰かのイメージだったはずです。そして、それをまた年長児がたまたまテラスから目撃し、自然に審判が始まったというわけです。

 

こうやって遊びが伝承され、チャレンジが生まれ、そしてこうやってまた次の遊びが生まれていくのです。お泊まり保育と直接の関係はないですが、すごく嬉しく胸にジーンとくる光景でした。

 

 

さて、最後の食事が終わりお迎えの時間となりました。お父さんお母さんの顔を見て笑顔で飛びつく子、泣いてしがみつく子、色々でした。昨晩のキャンプファイヤーの辺りからちょっぴり寂しくなってしまった子もありましたが、たっぷり遊んだせいか昨晩はどの子も寝つき良く、十分に楽しく過ごせた一泊二日でした。

 

 

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真夏の園舎 → 軽井沢の森でのキャンプ(テント泊) → 真夏の園舎でのテント泊 → 秋の園舎でのテント泊。振り返ってみると、この約10年の間にうちのお泊まり保育は大きく変化しました。以前は夏期保育中の一大イベントといった位置付けで、お風呂屋さん、夕食作り、キャンプファイヤー、ゲームやスタンツ、夜の肝試しなど、企画が盛りだくさんでした。先生達の気合が真夏の1泊2日をさらに熱くする!みたいな感じです。

 

「園に泊まること自体がとても特別なこと。」

 

これはどこかの研修会で他園の先生が発した言葉です。それが今でもすごく心に残っています。ちょうどその頃、自園の保育のあり方を根本から見直していきたいと感じており、その言葉をきっかけにというわけではないですが、お泊まり保育での盛り上げ企画を少しずつ取りやめるようになりました。肝試しをやめ、ゲームやスタンツをやめ、と言った具合にです。

 

子供と楽しい時間を過ごしたいと思うと、大人はつい気合が入って色々と企画を考え始めます。そしてそのために事前に作り物をしたり何か練習をしたりということが増えていきます。過去の例と比較してより一層楽しくなるようにと、年を追うごとに派手になったり大掛かりになっていくこともあります。それはそれでもちろん楽しいことではあるのですが、それって果たして本当の「保育」なのでしょうか?

 

保育は教育です。子供の命と安全を守り、子供の自ら学び育ち伸びていく力を支え広げ深めていくのが「保育」という名の教育です。そのために大人は様々なことを考えなければなりません。子供が今何を感じ、何に興味を持ち、何に夢中になり、何にチャレンジし、何を知っていて、何を知らなくて、何ができて、何ができなくて、何に自信があって、何に自信がなくて、どんな環境設定が彼らの感覚を更に刺激し、どんな言葉がけが彼らのやる気や興味を促していくのか。子供が自己肯定感を持ち、思う存分探求し、チャレンジし、試行錯誤し、達成感を味わい、時にはちょっぴり悔しさを味わい…。そういう場をどうやったら作れるか。そのことを保育者は常に深く考えるのです。これは、イベントの盛り上げ企画を考えることとは全然違います。大人が考えたものを子供に押し付けるのではなく、子供自身の中から湧き出てくるものに気づき、寄り添い、一緒に歩くのです。

 

派手なお祭りで子供を盛り上げることができると、保育者の中にある種の達成感のようなものが生まれます。子供を喜ばせることができた自分に満足するわけです。そして自分はいい保育をしている、と勘違いしてしまったりします。でも実は子供の本当の声を聞くことができていなかったり、子供の本当の姿を知らなかったり、見ようとすらしていなかったりすることがあるのです。これはとても危険なことです。

 

子供の主体性を大切にした保育というのは、実はとても難しいことなのです。保育者の実力が深く問われます。子供を見る目、物事を受け止める感性、環境を工夫するための引き出しの多さなど。保育者の力が足りなければ「子供の主体性」を看板にした放任保育になってしまうこともあります。だから逆に行事やイベント主義のような保育も生まれてくるわけです。それは保育者に力がなくてもある程度の形を作ることができますし、それによって目に見える成果を得ることができ、大人(保育者も保護者も)も満足し安心できるからです。でもそこには子供の主体的な関わりによる育ちはほとんど無く、大人が一方的に提供する楽しい時間をただ受け取るだけという場合がよくあります。

 

過去の私たちの保育が悪かったと言うのではありません。子供一人一人を見つめる丁寧で温かい保育をずっと大切にし実践してきたという自負はあります。でも何かちょっと忘れていたり置き去りにしてきたものがあるかも知れないと、10年ほど前にとにかくそれを一度ゼロから見つめ直してみることにしました。職員一丸となって子供の主体性を大切にする保育とは何かを模索してきたのです。その結果大きく変わってきたものの一つが、このお泊まり保育だったわけです。

 

雨に降られ園内での自由遊びが主となった今年のお泊まり保育。それは、これまでの日々の園生活の中で担任の様々な工夫があり、その中で子供達の主体的な遊びが深く展開され、それらの積み重ねがあったからこそ成り立つものです。実に充実した2日間でした。

 

私達人間は、生きていく上で様々なことに出会います。それは嬉しいことや楽しいことだけでなく、苦しいことや嫌なことにも出会います。でもその出会ったことと共に歩きながら結局自分で自分の道を作っていくしかありません。自分を幸せにするのは自分自身です。どんなことに出会ってもいつも前向きで明るく、幸せに歩ける人を育てたいのです。そのためには、その子をいつもそばで見守り、その子のありのままを受け止め応援する大人がいなければなりません。その守りの中で子供はのびのびと自分を試し、友達と関わり、悩み葛藤し、納得をしながら一歩一歩進んでいくのです。

 

自分に自信を持ち、出会った物事や出会った人々と共に歩き、いつも人々を幸せにし、そして自分も幸せに生き抜くことができる人。私達はそういう人を育てる保育園、そういう人間の心の根っこを育てる保育園でありたいです。それが妙福寺保育園の保育の理念です。

 

なんだかお泊まり保育で変に熱くなってしまいました。なんのこっちゃ?と思われるかもしれません。でも、今私の中から湧き出ている思いを、とりあえずここに書かせていただきました。

 

さぁ、また明日からがんばろー!(^0^)

 

 

ブイブイ!

 

おしまい。

 

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