保育園日記

けやき

[平成17年5月12日]

IMGP1496.jpg

昨年の夏、樹木医の診断のもと大掛かりな手術を行った園庭のけやき。 気にかけてくださっている方も多いと思いますが、 現在の芽吹き具合はご覧のような状況です。 なんとか葉が出てはいるのですが、かなり弱々しい状況です。 完全に枯れてしまっている部分もあります。厳しいですね…。

樹勢の回復には5〜6年かかるという見通しですが、 果たして本当に回復するのかどうか…。まだ不安は消えません。

どんなに時間がかかっても良いから、 以前のように元気になって欲しいです。

このけやきの大手術をした去年の夏は、 涼しい木陰のありがたさを骨身に沁みて感じました。 樹齢は約300年(推定)とのこと。 保育園ができるよりもずっと前から、 この木はここで大きな木陰を作り 人々を夏の日差しから守り続けきたのでしょう。

この園では、夏の炎天下でもいわゆる「日よけテント」を 使ったことがありませんでした。 広い園庭の半分は常に涼しい木陰だったからです。 けやきが作る木陰だけで、全園児が遊ぶに充分な空間が確保できましたし、 もし運動会で日差しが強くても、観客や園児を熱射病から守るに充分な 空間が自然に出来上がっていたからです。 なんて恵まれていたのでしょう。

当たり前のように受けていたその恩恵の大きさを、 失って初めて知ったというわけです。

このけやきが元通りになるかどうかはまだわかりません。 人事は尽くしてきましたので、あとは天命を待つのみです。

ところで、けやきの隣でいつも日当りの悪かったコブシの木が、 青空の下でこのごろやけに勢い良く芽吹いています。 このコブシの緑が、けやきほどではありませんが それなりの木陰を作りつつあります。 今年の夏はコブシに助けられるかな? これらの営みを眺めながら改めて、 ああ、木々も本当に生きているんだなぁ、 僕たちと同じいのちを営んでいるんだなぁと、 これまたしみじみ感じているところなのであります。

このページのトップへ