けやき
[平成17年5月12日]
昨年の夏、樹木医の診断のもと大掛かりな手術を行った園庭のけやき。 気にかけてくださっている方も多いと思いますが、 現在の芽吹き具合はご覧のような状況です。 なんとか葉が出てはいるのですが、かなり弱々しい状況です。 完全に枯れてしまっている部分もあります。厳しいですね…。
樹勢の回復には5〜6年かかるという見通しですが、 果たして本当に回復するのかどうか…。まだ不安は消えません。
どんなに時間がかかっても良いから、 以前のように元気になって欲しいです。
このけやきの大手術をした去年の夏は、 涼しい木陰のありがたさを骨身に沁みて感じました。 樹齢は約300年(推定)とのこと。 保育園ができるよりもずっと前から、 この木はここで大きな木陰を作り 人々を夏の日差しから守り続けきたのでしょう。
この園では、夏の炎天下でもいわゆる「日よけテント」を 使ったことがありませんでした。 広い園庭の半分は常に涼しい木陰だったからです。 けやきが作る木陰だけで、全園児が遊ぶに充分な空間が確保できましたし、 もし運動会で日差しが強くても、観客や園児を熱射病から守るに充分な 空間が自然に出来上がっていたからです。 なんて恵まれていたのでしょう。
当たり前のように受けていたその恩恵の大きさを、 失って初めて知ったというわけです。
このけやきが元通りになるかどうかはまだわかりません。 人事は尽くしてきましたので、あとは天命を待つのみです。
ところで、けやきの隣でいつも日当りの悪かったコブシの木が、 青空の下でこのごろやけに勢い良く芽吹いています。 このコブシの緑が、けやきほどではありませんが それなりの木陰を作りつつあります。 今年の夏はコブシに助けられるかな? これらの営みを眺めながら改めて、 ああ、木々も本当に生きているんだなぁ、 僕たちと同じいのちを営んでいるんだなぁと、 これまたしみじみ感じているところなのであります。