空き地?
[平成17年9月13日]
子ども達が遊んでいるのは、一体どこの空き地? なーんて聞かれそうですが、ここはれっきとした園庭です。
この夏、園庭に「古き良き時代(?)の空き地(草むら)を 再現しよう!」と試みた結果が、上の写真な訳です。
実はこれには、ちょっとワケがありました。 皆様に随分ご心配いただいた園庭のケヤキが、 看病の甲斐も空しく、回復できずに枯れるという結果になりました。 樹勢の衰えたところに根の病気が襲い、結局 中から枯れていくことを止めることが出来なかったのです。 悲しいけれど、近いうちにケヤキのお別れ会をしなければ ならなくなってしまいました。
で、ふと下に目をやると、ケヤキの養生のために 囲いをして立ち入り禁止にしておいた部分が 雑草(雑草はいささか失礼?野草ですね)の楽園に なっているではありませんか。 ネコジャラシやヒシバなど、バッタの好物となる 草もかなり生えています。
「う〜ん…。こ、これはこれでナイスかも!」 ケヤキへの悲しい思いを噛み締めている最中に、 不謹慎にも、私の心のどこかにムフフ〜♪な感情が 芽生えてしまったのです。
「立ち入り禁止を解禁にします!」 私の宣言により、すぐに囲いが取り払われました。
しかし、そこで事件発生! なんと用務さんが、せっせせっせと 草むしりをしているではないですか!! 「ちょっとマッターーッ!!!草むしり禁止ーーーーーッ!!!」 慌てて叫びました。 「そ、そこは草むらにするから、そのままにしといて下さい!!」
しかし、既に全雑草の半分近くが刈り取られていました。 用務さん、気が利き過ぎです!!(笑)
半分の雑草をなんとか救出し、私の真意を職員に伝えました。 「今後ここは草むらにします。 最近はこの辺りも雑草の生えた空き地が 本当に少なくなってしまいました。とても残念です。
うちの園児たちはあんなに虫探しが好きなんだから、 ケヤキ周辺は雑草を生やし放題にして、 草をむしってもよし、蹴散らしてもよし、虫を捕まえてもよしの 自由に遊べる空き地のようにしましょう。」
結果は良好。ほぼ予想通りです。
はじめは入っていいのかどうか戸惑っていた子ども達ですが 今ではズンズン分け入って色んな虫を探しています。 草むらにしゃがんで、何やら色の出る実をとったり、 草を蹴散らして走り回ったり、随分のびのびと 遊ぶようになって来ています。
私が子どもの頃(30年前)は、近所の空き地の草むらで バッタを捕まえて遊ぶのが普通でした。 「ああ、この草、懐かし〜ぃ!」職員からもそんな声が聞こえてきます。 まだ草むらが出来立てのせいか、大型のバッタなどは見当たらず もっぱら小さなヒシバッタが幅を利かせています。 しかしお寺の奥の草むらには、コオロギはもちろんのこと かなり大きなトノサマ系のバッタやショウリョウバッタ、 はたまたウマオイなどのキリギリスの仲間など、色々見つかります。 それらが少しずつこちらにも引っ越ししてきてくれることでしょう。
それから草むらが出来た瞬間にトンボもすごく増えました。 子ども達は結構喜んで虫を追いかけています。 草ぼうぼうの昔ながらの空き地が、園庭の中に 当たり前のようにあったら素敵じゃないか! そんな私のムフフ♪な思いが少しずつ実現しつつあります。
ただ最近、大きな草が大きくなり過ぎて、子どもの背丈を超えました。 そうなると気軽に入れない薮のようになってしまうので その辺は少々手入れをして、子ども達が入りやすい草むらを 作っていきたいと思います。
それと、ケヤキの周りから雑草がどんどん 周辺に広がりつつあります。恐るべし生命力。 あまりにはびこらせると、逆に放置された汚らしい印象に なってしまいそうなので、その辺りも考慮して 手入れをしてきたいと思います。
周辺の草むしりは、保育活動の一環として 園児と職員で一緒にやるつもりです。
ケヤキは今年度中に伐採する予定です。 伐採後、土壌を一度殺菌消毒し、 1年間養生して再来年新しい木を植えます。 伐採と同時に草むらも一時消えるかもしれませんが、 これは必ずまた別の場所に復活させよう。 只今そんな風に考えているところなのであります。