どんぐりころころ
[平成27年10月30日]
先日4歳の担任が何やら積み木とビー玉で真剣に遊んでいる記事を載せましたが、それは今回のこの活動に繋がっているのでありました。
4歳の秋の林活動の定番「どんぐりころころ」です。
使うレールは、竹筒やロール紙の芯。
転がす玉は、林に溢れるどんぐりです。
友達と協力しながら思い思いにコースを組み上げていきます。急すぎたり緩すぎたり、上り坂になってしまったり、段差ができてしまったり。転がしては調整し、また転がしては調整しと、試行錯誤が続きます。
コースが折れ曲がる場所にはこんな工夫も!上(右)の筒を転がってきたどんぐりがトイレットペーパーの芯の壁にぶつかり、そのまま真下の筒にストンと落ちる仕組みです。(これは私の案ですが…。笑)
でも、どんぐりの転がる勢いが強すぎると、壁に当たって弾けてどんぐりがコースアウトしてしまいます。ちょうどいい塩梅に転がして終点まで行かせるためには、どんぐりを選別し転がり方や速度を調整する必要があります。
こんな長〜いコースもあります。
鍋に流し込んでカランカラン♪と音を楽しんだりもしてます。
とにかく集中して遊ぶ子供達です。
今回4歳は、どんぐりに徹底的に親しむことから活動を開始。普段散々遊んで見慣れているどんぐり達ですが、実は名前や特徴をよく知らなかったりします。林や園庭、境内で拾えるどんぐりを全部拾って、図鑑や絵本とにらめっこして種類ごとに分類します。子供の理解は早く、特徴を見分けられるようになるとどんどん仕分けしていきます。ギザギザ帽子はコナラ君、シマシマ帽子はシラカシ君、モジャモジャ帽子は…と、どんぐり本体と殻斗(帽子)をセットで覚えていきます。そして、そのどんぐり達を使って秋の製作を存分に楽しんだりするわけです。
担任は「どんぐりって、なぜ転がるんだろう…」と投げかけます。どんぐりと葉っぱを同時に落としてみたり、転がしてみたり。当たり前のように思っている自然の不思議を、なぜ?どうして?と問いかけながら一緒に考えます。
部屋やテラスに竹筒のレールを持ち込んで、子供達と一緒にコースを作って転がしてみたり、ビー玉を転がす木のおもちゃでコース作りそのものを楽しんだり。
そうした事前の活動の積み重ねを経て、満を持しての林です。溢れるほど落ちているどんぐり。名前や特徴をよく知っているからどんぐりに一層の親しみが増し、どんぐり拾いにも熱が入ります。拾ったどんぐりが竹筒をコロコロと転がる音を楽しみ、どんなどんぐりが一番転がり易いかを試行錯誤しながら考え、作ったコースでどんぐりがどこまで転がっていくかに熱中し、子供達の遊びは深く広がっていきました。
どんぐりころころ遊びは、いつも何気なくやっている遊びではあるのですが、きちんとテーマ性を持って取り組んでいくと、奥が深くて高度な遊びになるのです。子供達は、それこそ無意識に「重力」を感じながら、発想や工夫を繰り返し、様々な科学的思考を養っていきます。
子供にとって「遊び」がどれほど大切な教育の現場であるかということを、しみじみと実感させられる秋の林活動です。