お会式
[平成27年11月5日]
報告が少し遅くなりましたが、11月2日、3日の2日間、妙福寺のお会式が奉行されました。お会式は日蓮聖人のご命日(10/13)に合わせて行われる報恩感謝のお祭りで、江戸時代から続く日蓮宗の伝統行事です。
当日は朝から予想通りの雨、しかも土砂降りです。40年以上この寺のお会式を見てきましたが、こんな状況は初めてではないでしょうか。なんと雨水の重みで特設舞台の屋根の骨が折れてしまうという大トラブルが発生。おまけに保育園の出店のテントも潰れてしまい、ウン十万の買い物がパーになりました。とほほ…。(涙)
ところが午後に入ると奇跡のように雨が上がり、寺の檀家さん達の献身的なご奉仕のお蔭で舞台の修理、境内の清掃、様々な準備が整い、無事にお逮夜法要を営むことができました。出店の数も予定通り、奉納舞もほぼ予定通り、万灯行列も予定通りご参拝いただきました。開始直後こそ人出がまばらでしたが、夜8時頃には例年と同じような大変賑やかな状況となりました。
翌3日は見事な晴れ。気温も温かく素晴らしいお会式日和になりました。フリーマーケットには、地元の檀家さん達(農家)によって朝採り野菜が奉納され、先着400名に無料プレゼントされました。またヨーヨー釣りや的当てコーナー、竹細工無料体験コーナー、江古田の武蔵中学高等学校ジャグリング部の演技披露など様々な催しがあり、会場を盛り上げてくれました。
お稚児さんは25名。総勢100名を超えるとても賑やかで華やかな稚児行列です。行列後の音楽大法要にて子供達の身体健全発育増進を心を込めて祈願させていただきました。
このお会式は毎年当たり前のように行われる妙福寺の年中行事ですが、来場者数は恐らく1万人以上でしょう。これだけの規模になると当然のことながらその準備運営は非常に大変です。実は、その蔭には檀家さん達の計り知れないほどの努力があります。お寺のお祭りですので、実施にあたり行政の補助金などは一切ありません。すべて檀家さん達のご寄付とご奉仕によって成り立っています。総代さんを中心に何度も打ち合わせを重ね、事前の準備、看板やポスターの作成・設置、警察との打ち合わせ、境内の準備、当日の様々な役割分担、そして後片付けまで、100名以上の檀家さんによって全てが行われます。金銭のご奉納もあるので実際かなりの負担と言っても良いでしょう。それでも皆さんこのお会式を大切にしてくださいます。寺を守り、法華経・お題目の信仰を守り、地域の伝統行事を守り、そして多くの方々にお祭りを楽しんでほしい。そんな思いで熱心に働いてくださいます。この功徳が天に届いて、雨が上がり、今年も賑やかに奉行できたのかもしれません。
ところで、今年のお会式での大きなトピックの一つは、奉納舞の舞台で能楽師・笛演奏家の一噌幸弘さん(重要無形文化財総合指定保持者/国立能楽堂講師前任)が演奏されたことかもしれません。一噌家は安土桃山時代から続く能楽師笛方で、一噌さんは様々なメディアや世界で活躍される一流の笛演奏家です。今回檀家さんのご紹介で出演が決まり、3曲ご奉納いただきました。
お祭りの野外舞台で不特定多数の観客を前にした演奏でしたが、圧倒的なパフォーマンスで観衆をグイグイ引き込み、舞台前はまさに黒山の人だかり。最高の一幕になりました。かく言う私自身も、大変失礼ながら初めてその演奏を生で聞かせていただき、素晴らしい笛の音色と演奏に心の底から感動して思わず涙が出てしまいました…。一噌さん、ありがとうございました!
こうして、今年のお会式も無事に終わりました。今年は日蓮聖人の734回目のご命日でした。皆様と共にご報恩の大法要を営むことができ、心から嬉しく思います。
と、ホッとするのも束の間、来月はお釈迦さまのおさとりを祝う「成道会お遊戯会」です!(^○^)