野草
[平成29年3月31日]
園庭の一角にシロツメクサの花壇(?)があります。シロツメクサは繁殖力が強く、芝生の中に生えると厄介なので、よく雑草扱いされます。でも、マメ科の植物で土を肥やしてくれる素晴らしい面があり(パイオニア植物と言います)、これを敢えてグランドカバーに使う場合もあります。花は子供の良い遊び道具となりますし、葉はウサギの餌になります。だから保育園でシロツメクサは邪魔な雑草ではなく、とてもありがたい野草です。
(昨年5月の様子)
「雑草」とか「害虫」とか、人間は勝手ですね。全部こちらの都合です。それぞれの命に対して、こんな失礼なことはないな、といつも思います。
今、このシロツメクサの花壇に別の草がはびこっています。カタバミです。カタバミはオクラのような種がプチプチプチッ!と弾けるのが楽しくてそれなりに遊べる面がありますが、一旦生えると繁殖が早いうえに、茎が切れやすくて抜くのが大変なので非常に面倒です。クローバーの葉にちょっと似ているのでウサギにあげたくなりますが、毒があるので絶対いけません。なのでカタバミは園にとってはちょっぴり迷惑な「雑草」です。あ〜勝手だな!(笑)
新年度を迎える前にこれをなんとかしたいと思い、今日思い切って作業しました。
大量の「雑草」。(ここに写っているのはカタバミではありません。)
子供達が寄ってきて色々コメントします。なかでも良かったのは女の子のこの一言。
「草って、いい匂いするよね。」
なんだかこの一言で救われた気がしました。(^^)
するとそれを近くで聞いていた男の子が、抜かれた草を手に取り早速匂いを嗅ぎました。
「土みたいな匂いがする…。」
「土に植わってたからね。(^^)」と、私。
そのうち「園長先生これ使ってもいい?」と聞かれ、遊びが始まりました。
楽しそうです。
何人かのグループでずっと遊んでいましたよ。
どんな草も、やはり「雑草」なんて呼んではいけませんね。失礼です。だって子供たちをこんなに豊かにしてくれるんですもの。草花さん、ありがとう!
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今日は今年度の保育最終日でした。子供たちとお別れし、退職職員とお別れし、しんみりとした気持ちで過ごしました。
子供達も、旅立つ先生達も、それぞれにこの雑草のように、いや、野草のように、巡り合った場所にしっかりと根を張って力強く幸せに生きていってほしいと思います。