新入園児面接
[平成18年3月9日]
7日、新入園児の面接が終わりました。
4月から新たに入園する子ども、お母さんとお会いし、 各ご家庭の状況をある程度把握しました。 ほっと一安心です。
ここ数年、新入園児面接のたび思うことがあります。 0、1歳の乳児期から長時間保育を希望する方が 増えてきているということです。
産休明けから無認可の保育所などに預けて フルタイム勤務している方が、この頃とても多いです。 現在の保育行政は、保育時間の拡大ばかりでなく 夜間保育、病児保育など、社会のニーズに合わせてどんどん サービス(?)の充実を図っています。 そしてそれを子育てに優しい社会とうたっているわけです。
でも、子どものことを第一に考える私たちの立場からすると 現在の行政の方針は間違いだらけだと感じずにはいられません。
保育園が子どもの状況を第一優先にし、社会に規制を かけなければいけないと感じることがしばしばあります。 親も会社も、制約が生じて初めて真剣に動いてくれるからです。
例えば、延長保育に入れなかった人が、切羽詰まって勤め先と交渉し、 勤務を短時間にしてもらうようなケースがあります。 仕事上は多少肩身の狭い思いをするかもしれませんが、 結局はそれが二足のわらじを履くお母さんの 精神的肉体的な余裕を生み出し、 結果として子どもの成長にとっても 良好な環境が生まれることが多いのです。 言われるがままに長時間保育や病児保育を実施すれば 仕事上は都合が良いかもしれませんが、 その負担は子どもが背負うことになります。
幼少期に背負う心の負担は意外に大きく、 後々取り返しのつかない状況に発展する危険性を はらんでいます。
子育てに優しい社会は、世の大人達や会社そのものの 意識を変えていかなければ実現しないのですが、 経済第一優先の社会では、なかなかその正論が通りません。
たいがいのお母さんが、卒園の頃までには 仕事よりも子どもの方が大切だということに気づき、 様々な状況を調整できるようになります。
保育園は、経済社会と子どもの育ちの狭間で揺れ動きながら 常に子ども寄りの立場で社会にメッセージを 投げかけていきたいと思います。