生活リズム
[平成26年11月27日]
妙福寺では、午後の昼寝の時間に多くの子が起きて活動をしています。活動内容は年齢やその日によって様々です。先日の年長さんのように午後に大根掘りに出かけることもありますし、園庭や林で遊んだり、お部屋で、先生のそばでゆっくりのんびり過ごすこともあります。
こちらの年中さんは、お掃除のお手伝い。
雑巾をギュッと絞って、
お椅子をふきふき、
下駄箱もふきふき、
隅々まできれいに。
やけに精が出ます。
多くの保育園ではデイリープログラムの中に午睡(お昼寝)を組み込んでいます。妙福寺も同じです。でも、実はうちの年長児のほとんどは昼寝をしていません。年中児でも多くの子が起きています。昼寝の有無について、園は家庭と相談しながら子ども一人ひとりに個別に対応しています。
4、5年前でしょうか、品川区の先輩園長に声を掛けられある研究グループに参加しました。そこで大学教授や他園の園長先生方とともに、午睡と子どもの生活リズムや健康に関する調査・研究をしました。グループの一員である大学教授(医学博士)のお話では、人は元来夜寝て昼間に活動する動物であり、昼間の睡眠を必要としない。昼間に長時間の睡眠をとることを続けると、逆に寝不足時に比べて病気や死亡のリスクが高まる。子どもも3歳頃から昼寝が不要になりはじめる。不要な子が昼寝を継続すると、脳や体の発達に悪影響が出る恐れがある、ということでした。ちょっとショッキングな内容です。
園で各家庭にアンケートを実施したところ、多くの園児が「土日、家では昼寝をしていない」ということがわかりました。また、園で昼寝をすると夜も元気なので就寝時間が遅めになり、結局昼寝が遅寝遅起きの一因となってしまう場合があることもわかってきました。そこで、園では少なくとも必要のない子に昼寝をさせるのはやめてみよう、ということになったのです。
昼寝をやめたことによって、夜は疲れてご飯も食べずに寝てしまう子もありました。でも、早寝早起きのサイクルが整うようになり、何よりもそれが子どもの心身の健康と発達のためには重要という認識に立って今に至ります。大切なのは、早めに就寝し、ぐっすり寝て早く起きる、という生活リズムを整えることです。早寝早起きによって午前中しっかりと活動ができるようになり、それが健全な心身の成長に繋がっていくのです。
何が正しいのか、正解があるのかないのか、正直なところよく分かりません。でも取り敢えず画一的なやり方はやめることにしました。昼寝をせずとも1日しっかりと活動できるようになった子に、無理矢理昼寝をさせるのをやめたのです。それを可能にするためには職員の勤務体制に若干の工夫が必要でしたが、改定された国の保育所保育指針にもそうした柔軟な対応の必要性が謳われているのだと思います。園は、その子の状態、家庭の状況、親の考えなどさまざまな条件を勘案し、家庭とよく相談して昼寝の長さや必要性の有無を判断するようにしています。早寝早起きの生活リズムを重視し、134名の園児の昼寝を完全に個別対応している園は、まだあまりないと思います…。