保育園日記

おゆうぎ会

[平成30年12月9日]

12月8日はお釈迦さまのおさとりの日、成道会です。保育園では昨日、この成道会をお祝いして「成道会おゆうぎ会」を開催しました。

 

 

1、2歳は日々の生活の中で親しんでいる歌や遊びを発表、3歳は音楽劇「おおきなかぶ」、4歳はオペレッタ「おーい!大江戸大どろぼう」、5歳は劇「成道会」をそれぞれ発表しました。

 

ホールは大入り満員のお客様。幕が開いた瞬間に会場の雰囲気に圧倒されて子供達が緊張してしまう様子が見られましたが、それでも元気に発表することができました。

 

 

今回一つ特に嬉しかったことがあります。年長の劇の最中、女の悪魔が王子を誘惑する踊りのシーンで音響担当の操作ミスがあり、音楽が突然止まってしまうというハプニングが起こりました。踊りの最中に曲が突然ストップして戸惑う女の悪魔達…。少し間をおいて再び曲が頭から流れ始めましたが、子供達はどうすれば良いか分からない様子でモジモジしています。あ、どうしよう…。見ている私も一瞬不安になりました。すると会場から自然に手拍子が始まったのです。それが子供達を励ますようにだんだんと大きくなって会場が本当に一つになりました。すると子供達はその手拍子に勇気づけられるようにして再びリズムに乗って体を動かしはじめ、今度は最後までしっかりと踊り切ることができたのです。

 

私は嬉しくて胸が熱くなりました。というのは、このおゆうぎ会では観覧席からの写真やビデオの撮影を禁止していますが、それはまさにこのためだと言っても良いような出来事だったからです。保護者の皆さんがカメラやビデオを手にして撮影に集中していたら、このような手拍子はなかなか生まれなかったかもしれません。そして子供達は緊張感と戸惑いとで、場合によっては泣き出すこともあったかもしれません。それが、子供達を包むような会場全体の温かい手拍子に後押しされて、子供達は笑顔で堂々と演じ切ることができたのです。操作ミスは担当職員としての大きな反省材料となりましたが、その結果、子ども達は皆さんの愛情をいつも以上に感じることができたと思います。

 

おゆうぎ会は保育です。保育は生活であり教育です。それは子供と大人との互いの関わりの中で一瞬一瞬作り出されていくものです。子供達は基本的に発表が大好きで、このおゆうぎ会もお父さんやお母さんに見てもらうことを楽しみにしながら毎日の生活の中で楽しく練習を積み重ねてきました。それでも本番はやはり緊張するものですし、こうした思いがけないハプニングも起きたりします。舞台の上に立つ子供達の緊張感や息遣い、喜びや不安、ありのままの姿を丸ごと全部受け止めて、包み込むように見守り寄り添い共に歩くのが、いわば見る側の大人の「仕事」でしょう。演じる子供と見る大人が互いに当事者となって真心を交換しあい、会場が一つになることがおゆうぎ会の持つ大きな意義の一つです。

 

 

今回は保護者の皆さんの愛情や真心を、改めて深く感じるおゆうぎ会になりました。子供達も確かにそれを受け取り、喜びや自信に繋げていくことができたはずです。素晴らしいおゆうぎ会でした。保護者の皆様、ご参観ありがとうございました。

このページのトップへ