保育園日記

水の遊び(4)流れ編

[平成29年9月29日]

いよいよ最終回。今回は水の流れ編です。

 

 

 

約1ヶ月にわたって繰り返し行われてきた樋に水を流す遊び。これまで散々盛り上がって展開してきたので、今回はそれが爆発的に発展するものと予想していたのですが、そんな大人の思いに反して意外と盛り上がりません。いや、盛り上がってはいるのですが、子供の工夫や試行錯誤、突拍子もない発想などが、思っていたほど広がらないのです。担任的には、このコースがどんどん繋がって色々な方向へ水が流れる遊びになると予想していたのですが、全然そうなりません。

 

遊びにはきっとピークやブームがあるのでしょう。そして、環境設定の仕方にも大きく左右されると思います。子供があることに出会って興味を示し、それを繰り返し楽しむうちに更に興味関心が高まって、やがて大人が考えもしないような発想で新しいことをどんどん始めます。保育者はそれを見守り、子供が今使いたいと思うものを自由に存分に使えるように用意しておいたり、次の段階で必要になりそうなものをさりげなく準備してそばに置いておいたりします。それが遊びの環境作りというものです。そして子供が夢中で遊び込んで満たされていくと、やがて興味関心はさらに発展し別の方向へ移っていきます。その時の子供の心の動きにも更に寄り添える環境、工夫や挑戦を許し促す環境がなければ、子供はその遊びからだんだん遠ざかっていきます。つまり、ここの見極めが大事なのだと思います。

 

保育の計画には必ず年齢や発達に応じた「ねらい」があります。そのねらいによって、遊びの環境設定は当然変わってきます。子供は遊びの天才ですから、大人の予想をはるかに超えて遊びを広げていきますし、子供は生き物ですから、大人の思い通りにはなかなかいきません。なので保育者は、子供が今その遊びの何に夢中になっているのかを見極めなければなりませんし、その遊びの「質」も見極めなければなりません。そしてねらいと照らし合わせながら次の環境設定を考えるのです。そういう眼力が必要なのです。子供と大人との真剣勝負のようなものですね。そして、だから保育は難しいけれど楽しいのだと思います。

 

担任は「悔しい。」と言っていました。いいですね、真剣勝負。頑張ってください。(^^)

 

 

今回のヒット商品。ひのきボール。(園長私物)

 

 

こんな工夫も見られました。水を汲みに行く負担が軽減され、水の節約にもなります。子供が勝手にやり始めたことです。素晴らしいな。

 

 

そしてやはりこちらにも2歳が登場!(^^) 今回の4歳の遊びのDNAを、確実に受け継いでくれることでしょう。

 

 

個人的に一番心に響いたのは、このシーン。

 

繰り返し繰り返し、何度も何度も、このボールを転がしては樋ギリギリに顔を近づけて見ていました。満面の笑顔でです。木の玉が自分に向かってコロコロと転がり落ちてくる様子が本当に楽しかったのでしょう。この子のこの時の表情や姿を思い出すと、今でも胸が熱くなります。

 

 

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さて、10月になるとだいぶ寒くなり水も冷たくなってきます。落ち葉や木の実もたくさん溢れてきますね。水という自然からまた別の自然へと、遊びはきっと流れるように繋がっていくと思います。

 

おしまい!

 

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