保育園日記

どんぐりころころ

[平成30年11月26日]

秋の遊びの定番である「どんぐりころころ」。4歳クラスではこの1ヶ月間「転がる」をテーマにして遊びを深めてきました。この日(21日)は改めて林でじっくりコース作りを楽しむ日。みんなワクワクです。

 

 

 

どんぐりだけでなく、ヒノキの実も集められていました。

 

 

 

 

 

 

木の枝を組んで支柱にし、ブロックや板を積んで高さを調整し、樋の重なり具合が良くなるように向きを工夫し…。組んでは転がして様子を見、不具合があれば調整してまた転がしてと、みんな根気よくコース作りを進めています。この1ヶ月間の遊びの積み重ねが、子供の姿の中によく現れています。

 

 

こちらはトイレットペーパーの芯でコース作り。

 

 

  

やはり転がしては微調整、転がしては微調整と、何度も試して工夫しながら遊んでいます。トイレットペーパーの芯をセロテープでとめるので、クヌギのどんぐりでは重すぎて落ちてしまったり、スピードが出すぎて飛んで行ってしまったりします。そのうち子供達はこのコースには軽いヒノキの実が最適であることに気づき、それに合わせたコース作りへと変化していきました。科学の心がたくさん詰まった、深くて豊かな遊びの姿です。

 

 

しばらく遊び込んだ男の子がコースを眺めながら担任と相談しています。

 

男子:「このコース、もっと違う風に作り直したいんだよ。」

担任:「どんな風にしたいの?」

男子:「全部壊してさ、こうやって四角くするとか。」

担任:「四角かぁ…。どうすればできるかなぁ?」

 

この子が「こんな風に」と体で示したのは、樋と樋が直角につながるスクエアなコースでした。なかなか難しいですね。どうやったら実現できるでしょう…。大人と協力して、試行錯誤しながら出来上がったコースがこちらです。

 

(↑写真をクリックすると動画が再生されます。9秒/13MB)

 

これは直角の部分のつなぎ方を大人が少し助言しながら作られたものです。子供は事例経験が少ないのでイメージしたものを具体化させる方法に乏しく、考えても答えがなかなか出ないということがよくあります。そんな時、大人の関わり方がとても重要になってきます。何も口出しせずに静かに見守るのか、それとも何らかの助け舟を出すのか。出すなら何をどう出すか、どの程度出しどの程度出さないか。この塩梅が保育の難しいところであり、同時に楽しいところでもあります。

 

保育を考える時、何よりも大切なのは「その子の今を見る」ということではないでしょうか。年齢と発達の状況、これまでの遊びの内容、集中力や興味・関心のありかなど、それらをしっかりと見極めて、その子が自己を実現していけるように寄り添うのです。時には助言や提案を一切せずに静かに待って見守ることもあれば、場合によって答え(一つの事例)をすぐに見せることもあると思います。その塩梅にこそ保育者の子供に対する願いや祈りが込められてるのです。子供の今を大切にし愛情を込めて寄り添っていくと、子供は必ず自信を持って大人の想像を超えていきます。子供の中にある豊かな生きる力を感じる瞬間です。

 

どんぐりころころの1日は、とても充実した時間でした。この日記で子供の姿や保育者の願いの全てをお伝えするのはなかなか難しいですが、とにかく保育の楽しさや奥深さが詰まった素晴らしい時間だったことを感じていただけたら嬉しいです。

 

秋冬の遊びは、これからますます深まっていきます。

 

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